「待ったなし!」崖っぷちに追い込まれる海外銀行口座保持者

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CDH会計事務所
国際部門担当プリンシパル
藤本 光 氏

米国政府が、海外銀行口座の情報開示にかける姿勢は、厳格と言う以外にないほどです。世界の銀行と米国在住の海外銀行講座の保持者が「戦々恐々」の状況に追い込まれていると言っても過言ではありません。

米国市民はもちろん米国の居住者は、年間で総額1万ドルを越える(複数の口座残高を合計して)場合は、毎年TDF-90.22.-1と呼ばれるフォームで詳細を報告しないといけません。このフォームを使用して、過去正しく報告を行っている方は戦々恐々になる必要はありません。しかし、行っていない場合は、心配する必要があります。申告していない場合のペナルティも巨額のものです。今回は、なぜ心配しなといけないかについて説明します。

最近、米国でビジネス活動を行っているスイスの銀行に対して、米国居住者のスイスにある口座の情報を開示せよというアメリカ政府とスイス銀行のせめぎ合いは、ついに米国に軍配があがりました。スイスの国内法では、銀行の口座所有者の情報は、秘匿しても違法ではないことになっているそうですが、そのスイスの国内法まで無視して、アメリカ政府はついにスイス政府に、スイスの銀行が、2009年まで遡って米国居住者の口座情報をアメリカ政府に開示することを認めさせました。

http://finance.fortune.cnn.com/2013/05/30/swiss-bank-accounts-irs/

常識から言いますと、「該当する口座保持者は、できるだけ早くスイスの銀行から、他の銀行に口座を移せば良いだろう」です。しかし、過去まで遡って情報を開示されるということは、過去の資金を他の口座に動かした事実が、秘匿の目的であるアクションだということが米国政府に明々白々になるからです。この動きを隠蔽の意図ありとみなされた場合に、米国の刑事上で、脱税の罪に問われるからです。もちろんペナルテイなどを含めると、口座の残高は簡単になくなるかもしれません。そのため、アメリカ市民でスイスの銀行に口座を持っていた人たちがパニック状況になっています。

スイスだけの話だろうと思われているかもしれません。しかしそうではないのです。下記の記事では、米国の厳格な姿勢が世界の銀行に及ぶことを言及しております。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M3QFQS6K50Y001.html

つまり、邦銀に口座を維持している人、あるいは維持していたが、口座を解約して、現金で保持していたり、他の銀行に移した人でもスイスの例のように過去まで遡られて、履歴を開示されたときに隠匿の意図が見えてしまうわけです。この事実に日本で持っていた口座に利子所得や、配当金の所得でも入っていて、米国の税務申告で報告していなかった場合はさらに深刻になります。

非常に簡略に説明しますと、この問題の対処には3つの方法があります。第一がOVDPと呼ばれる、銀行口座の開示に問題があった人のための特殊なプログラム、Voluntary Disclosureと呼ばれる従来からあるIRSの自己申告制度、最後にQuite Filingと呼ばれる一番簡単な方法です。

邦銀や、他国の銀行に対して、アメリカ政府がスイスの銀行にとったような刑事罰を含めた厳しい態度を取るかは、未知数です。しかし、確実に言えるのは、アメリカ政府のこの問題に対する姿勢は厳格そのものであるということ。また、サーベイン・オックス法(SOX)に見られたアメリカ政府の他国の事情を無視しても、自国の利益を守るという姿勢は、忘れてはいけません。

この記事を読まれている方で、まだ銀行口座の開示を行っていないかた、あるいは取られたアクションが心配なかたは、すぐに専門家に相談されて、前述の3つの方法を検討されてすぐに開示されることをお勧めいたします。CDH会計事務所は、このような問題に対する専門的な対処ができます。

ご質問、ご相談がある方は、藤本光まで、お気軽にご連絡してください。電話番号:(630) 285-0215 ext 8229, E Mail Address: kfujimoto@cdhcpa.com また、筆者の”Cross Border Blog” ブログもご参照ください。http://ameblo.jp/accountingandlaw/

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