日本のように甘くない米国失業保険

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パシフィック・アドバイザリー・サービス
代表取締役社長
武本 粧紀子 氏

最近、当社にいらした方は、残念ながら、前にお勤めだった会社をクビになった、とのこと。それで、「せっかくだから、失業保険を申請して、当分休もうかな」とおっしゃっていました。

お気持ちはわかります。日本では、クビになった場合でも、失業保険を受け取ることはできます。失業保険をもらっておいて、ゆっくり就職活動をすることも可能ですよね。しかし、この場合、アメリカではほとんどの州で失業保険を受け取ることはできません。自己都合で辞めた場合もだめ。失業保険は、自分に非がないのに、会社の都合でレイオフされた場合しか支給されないのです。

アメリカはとにかく個人主義が発達しています。失業保険だけではありません。日本では、当然のように支払われる通勤のための交通費も、支払われないのが普通です。住む場所は個人の自由。だから、会社から遠くに住んでいても、それは個人の勝手なのですから、雇用主は、交通費の補填をする必要はないのです。

ちなみに、通勤の最中に怪我をしても、労災は適用されません。通勤は仕事時間中とはみなされていないからです。さらには、仕事のお昼休みに怪我をしても、労災とはみなされません。アメリカ式の考え方では、お昼休みも、労働時間とはみなされないからです。

扶養家族手当てという概念も、アメリカにはありません。独身か既婚か、配偶者に収入があるかないか、子供が何人いるか、など、家族のことは、個人の問題であり、雇用主の与り知るところではありません。大体、アメリカでは、給料は労働に対して支払われるもの、という概念が強いため、同じ労働をして、受け取る給料が、家族構成のために変わってくる、ということは考えられないことなのです。

なお、会社で加盟する、健康保険などは、家族の分を一部負担すれば、家族も加入できる場合が多いですが、家族というのは、配偶者と子供をさすのであって、たとえ同じ家に住んでいても、通常、親を自分の会社の保険に加入させることはできません。

余談になりますが、親を家族とみなさない、という一番の理由は離婚が多いからだそうです。結婚したカップルの60パーセント以上が離婚に終わる、といわれているこの国では、実親が離婚して、再婚しているケースが多々あります。 親を自分の保険に加入させて良いことにすると、実の親、継父母、どこまで加入を認めるか、認めないか、など問題がややこしくなってくるし、全員負担していたら、費用も莫大なものになってくる、という事情もあるようです。

残念ながら、失業された方は、あせらず、ゆっくり良い仕事をみつけたい、というお気持ちはわかります。でも、失業保険には頼れませんよ。

そこでお勧めなのが、パートタイムとか派遣とか、ある程度時間に融通のきくお仕事をすることです。とりあえず、少しでも収入を確保しておき、より良い仕事の面接のために使う時間も確保しておきましょう。

当社は、お仕事をお探しするだけではなく、履歴書や面接に対するアドバイスも無料で行っています。ぜひ、武本 粧紀子(stakemoto@paschgo.com    847-995-1705)までお問い合わせ下さい。

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