Smart & Responsible
個人金融プランナー
岩崎 淳子 氏
投資において手数料はできるだけ低く抑えたいものです。ファンド手数料などは毎年かかるもので、たとえわずかな差であっても、20年、30年の投資において大きな差が出る可能性もあります。ご自分の401(k)のトータル手数料を調べてみませんか。
ファンド手数料
ファンド手数料の開示は義務付けられていますので、401(k)の投資ファンドリストを調べれば、ファンド手数料がいくらかは見つかるはずです。もしも見つけにくい場合は、ファンドの名前で手数料が検索できます。下のサイトで、ファンド名あるいはファンドについている4文字から5文字のアルファベットコードで検索してみましょう。
https://tools.finra.org/fund_analyzer/
たとえば、T. Roweのターゲットデイトファンド2040(コードはTRRDX)ならファンド手数料は0.69%です。
プラン運営費
こちらも401(k)のプラン詳細のWebサイトあるいは小冊子には必ず開示がありますが、ちょっと見つけるのが大変かもしれません。手っ取り早いのは、オンラインかあるいはPDFファイルで、“fee”とか”expense”などのキーワードで検索をしてみることです。少し忍耐が必要かもしれませんが、どこかに401(k)プランが課している手数料が見つかると思います。
あながた大企業・大組織で働いていらっしゃるなら、おそらく低手数料のファンドが提供され、またプラン運営費もないかあっても極小レベルで401(k)に参加できている確率が高いです。一方で、中小企業にお勤めの場合は、手数料について今一度確認のうえ、あまりに手数料が高い場合は、以下のアクションが必要かもしれません。
- ファンド手数料が高い場合で、代替の低手数料ファンドがある場合はのりかえる。
たとえば、上のターゲットデイトファンド以外に、下のような低手数料ファンドが見つかったらば、401(k)プラン内での乗り換えを考えます。
- トータル手数料が高い場合は、Benefit 担当やHuman Resources部にプラン吟味の提言をしてみる。
BrightScopeは、小規模雇用主だからといって高手数料の401(k)プランしか利用することができないかというと、そんなことはないとしています。規模が小さな401(k)であっても、低手数料プランは常に見つけることができるはずで、きちんと比較検討すればトータル手数料を1.0%以下に保つことは十分可能、さらには0.50%以下も決して夢ではないとしています。もしかしたら、Benefit/HR担当が知らないだけかもしれません。雇用者への価値ある福利厚生サービス提供は、かれらの責任でもありますから、手数料低下のためのプラン乗り換えをリクエストしてみるのも賢明かと思います。たとえば、下のようなサイトで、他の中小企業のプラン規模と内容を比較してみることができます。
https://www.employeefiduciary.com/sample-fee-comparisons/
3.どうしても高手数料で望みがないのなら、雇用主マッチ(あるならですが)を受けられるまでは401(k)に積立て、あとはVanguardなどの低手数料会社でIRAを開いて個人的に投資する。
たとえばVanguard Target Retirement Fund2045は個人的に開いても0.15%のファンド手数料で、IRA口座ではその他のプラン運営費や口座維持費などは一切かかりません。
この記事に関するご質問は、junko@smartandresponsible.comまで。
Junko Iwasaki
MS, CPA/PFS (Personal Financial Specialist)
www.smartandresponsible.com
家計、投資、保険などについてわかりやすく30回で連載しています。
「お金が勝手に貯まってしまう 最高の家計 」(ダイヤモンド社)
日本在住の方向けにアメリカ情報をオンラインマガジン finasee (フィナシー) で発信しています。
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