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ステラ・リスクのレポート

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女性の医者とワーク・ライフ・バランス

Category: ステラ・リスクのレポート | 人材 | 文化 | 記事

パシフィック・アドバイザリー・サービス
代表取締役社長
武本 粧紀子 氏

Sakiko September Image最近日本で問題になっていたことは、「東京医科大学では、女性が合格しにくいように入学試験の操作が行われていたこと」です。医学部に女性が多くなると、卒業してから大学病院の医局に入った場合、「過重労働と不規則な就業時間、母性を考慮しない風潮などから、勤務医の仕事は過酷で、特に家庭を持つ女性にとって適合性が低い」ためとのことです。(参考文献:「東京医科大の入試男女差別が示す深刻な実態」蟹分解、東洋経済Online 2018/8/15 )

「(家庭を持つ)女性」に適合性が低い、と決め付けるのは、「女性は家庭を守るべき」という固定観念に他なりません。女性の中にも、一生結婚しない人もいるし、結婚しても子供を生まない人もいるし、結婚して子供がいても、専業主夫の夫を養っている女性もいます。もちろん、仕事も家庭も両立させている女性もいます。

そもそも、女性の医師が増えると、医療の質は落ちるのでしょうか?

フロリダの病院で過去20年に渡り、580,000人以上の心臓関係で緊急病棟に運ばれた患者さんの調査をしたところ、患者さんの性別にかかわらず、女性医師が担当した患者さんのほうが、男性医師が担当した患者さんよりも生存率が高かったそうです。また、2016年のハーバード大学の調査によると、150万人の患者さんを調べたところ、女性医師が担当した患者さんの方が、死亡または30日以内に病院に再入院した確率が低かったそうです。最も、確率だけ考えると、0.5%の違いだったそうですが、人数で言うと、死亡した患者さんは、32000人少なかったそうです。女性医師は、男性医師よりも患者さんとのコミュニケーションがうまくいっているから、つまり、患者さんの話を男性医師より時間をかけて聞く傾向にあるから、と結論づけています。(参考文献:”Should You Choose a Female Doctor?”, by Tara Parker-Pope, August 14, 2018, The New York Times)

日本のテレビのニュースでは、医学部が「男女別の定員を設けることは違法ではない」と言っていました。確かに、女子医大は女性だけしか入学することはできません。しかし、男性優位の社会にマイノリティーである女性を入れるための教育機関と、男性も女性も学べる大学に男女の定員を設けることは次元の違う問題です。

アメリカでは、1961年にケネディー大統領が施行したアファーマディブ・アクション(積極的是正措置)というものがあります。これは、女性、有色人種などのマイノリティーに対しての差別を禁止するだけではなく、マイノリティーを積極的に採用し、昇進させるという措置です。(ご興味のある方は、私の書いた記事をお読みください。「アメリカの多様性について」)

その甲斐あってか、アファーマティブ・アクションが取られてから半世紀以上たった今、アメリカでは、2017年には医学部に入学した学生は、女性が50.7%となり、男子学生を上回りました。(参考文献:”More women than men attending med school for the first time ever”, by Lauren Tousignant, December 21, 2017, New York Post)

入学試験での男女差別は言語道断でありますが、日本ではどうするべきなのでしょうか?アメリカのように、積極的に女性医師を登用する、というのも一つではあります。ただ、制度を整えずに女性医師を増やすと、結局、男性医師にその分しわ寄せが行くことにもなりかねません。

アメリカでも医師は重労働で、肉体的・精神的な疲労が問題になっています。もちろん、女性医師だけでなく、男性医師も長時間労働のために疲労していることが問題になっています。大多数の医師の一週間の労働時間は40時間から60時間ではありますが、医師の20%は61時間から80時間働いているそうです。他の職場と同じく、医療の面でも「ワーク・ライフ・バランス」を重視することが叫ばれています。(参考文献:”Work-life balance for physicians: The what, the why, and the how”, by Shannon Aymes, M.D, July 26, 2017, Medical News Today)

具体的には、他の職業でも取られているように、時間短縮(パートタイム)で働けるようにする、二人で一つの仕事を受け持つワーク・シェアーを増やす、再雇用が可能なように制度を変更する、などでしょうか。

「働き方改革」が叫ばれている今、女性医師を減らすことを考えず、男性医師も働き方を変える方向にもっていかないと、医療の質そのものが低下するだけでなく、医者を目指す学生そのものが減ってしまう可能性もあるのではないでしょうか。

Sakiko Takemoto 160 x 200-b with borderご質問のある方は武本粧紀子(stakemoto@paschgo.com    847-995-1705)までお問い合わせ下さい。

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Tags: ワーク・ライフ・バランス, 女性の医者

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