個人情報の盗難:スマートフォンはそれほどスマートじゃない
ETS Intelligence LLC
ディレクター
デイビッド・ラトコヴィッチ (David Ratkovich, LPD CCDI)
5現代のテクノロジー社会において、私たちがまず重視するのは利便性と機能性で、データセキュリティについては後回しにしがちです。しかし考えてみてください。顧客の機密情報や個人情報をやり取りしているあなたの携帯電話は実際、誰にでも簡単にアクセスされる可能性があるのです。つまり安全ではありません! なぜアメリカでは個人情報の盗難がこれほど問題になっているのでしょうか。ここで少し掘り下げてみましょう。
サイバースパイ活動
みなさまは本当に顧客の利益を守れていますか。今日、私たちは一日24時間、いつでも顧客に対応することを求められています。それは他の顧客との対面の時間を妨げ、家庭や私生活にも支障をきたします。また、常にメール、テキストメッセージ、ボイスメールを確認し続けることは、非常に大きな負担です。
こうした常に多忙な状況の中で、私たちはスマートフォンの利便性に頼りがちです。どこにいても、まるでオフィスの机に座っているかのように仕事ができます。書類作成にはあまり向いていませんが、ノートパソコンを片手に、Wi-Fiのあるカフェやレストランでコーヒーを飲みながら作業すれば、それは解決できるでしょう。
しかし、もうご存知かもしれませんが、あらゆるカフェや多くの店舗で提供されている無料Wi-Fiスポットは、情報を狙う犯罪者にとっては格好の場所なのです。もちろん、データを盗もうとしているのは店舗そのものではなく、そうした店舗のWi-Fiサービスの脆弱性につけ込んで、顧客情報を盗み取ろうとする犯罪者です。この国で深刻化している個人情報の盗難は毎日、安全でないWi-Fiへの接続によって助長されています。
ジレンマと解決策
では、モバイル環境で通常の業務を行いながら、顧客と自身のデータをどのように保護できるでしょうか。
サイバーセキュリティ技術者によってインストール可能なソフトウェアがあります。これによって、ノートパソコン、デスクトップ、スマートフォンなどに対し軍事レベルの暗号化を実行できます。さらに、これらの機器が紛失または盗難に遭った場合にも、遠隔でロックをかけたり、ハードドライブのデータを完全消去したりするリモートアクセス機能も存在します。これは、テクニカルサポートも容易にするものです。日々の多くのトラブルは、リモートアクセスによって短時間、あるいはダウンタイムなしで解決できるのです。
連邦政府は、企業が顧客の機密データを保護する責任に関して、新たなルールや規制を継続的に制定しています。現在、複数の保険会社が、社会保障番号、クレジットカード番号、医療記録、保険損害記録、パスワード、その他の機密情報の盗難や紛失によって生じた賠償責任をカバーする保険を提供しています。既存の保険契約に、こうしたデータの盗難や紛失による損失リスクに対応する補足条項を追加することを検討するのもよいでしょう。
このハイテク時代において、すべての企業がデータセキュリティと障害回復対策を備えておくことが極めて重要です。これらのデータには、削除されたテキストメッセージ、画像、ウェブログ、通話履歴、携帯電話やコンピューターで送受信されたすべてのデータが含まれます。
多くの企業にとって、従業員が勤務中に何をしているのかを把握することも非常に重要です。スマートフォン、携帯電話、ノートパソコン、デスクトップなど、あらゆる端末にバックグラウンドで動作する検出不可能なソフトウェアをインストールすれば、以下が可能になります:
毎秒スクリーンショットを撮影
テキストメッセージとEメールのリアルタイム記録を送信
送信時点での正確なGPS位置情報を記録
上記は、すべての企業が検討すべきデータ保護管理とシステムのごく一部にすぎません。
記事の無断転載を禁じます。
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デイビッド・ラトコヴィッチは、20年以上のビジネス経験を有する認可を受けた私立探偵、セキュリティ請負業者、および法執行官です。ETSのディレクターとして、米国全土の顧客に対し、調査、セキュリティ、科学技術、コンサルティング、トレーニングに関する幅広いサービスを統括しています。
サイバーセキュリティに関する詳細については、お気軽にデイビッド・ラトコヴィッチ(電話:847-866-2455、メール:dratkovich@etsinvestigate.com)までお問い合わせください。