The Stellar Journal
本帰国と出国税と~制度が映す人の姿
「出国税」と聞くと、国を離れる人への“罰金”のように思う人もいるかもしれません。けれど、その目的は罰ではなく、社会との関係を整理することにあります。出国税は、“国を離れる自由”を奪うものではありません。むしろ、その自由を責任とともに終えるための仕組みといえるでしょう。
ドナルド・トランプを心理分析すると
前回、『トランピズムは「終わりの始まり」』でトランプ大統領の異色性は彼自身のキャラクターとトランピズムと呼ばれるその政治手法であると述べました。彼のキャラクターと政治手法は、彼自身が「パーソナリティ障害」、それも「自己愛性パーソナリティ障害」と「反社会性パーソナリティ障害」、「演技性パーソナリティ障害」の複合型であることから来ていると個人的に分析しています。
アメリカ精神医学会が定めている『精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)』におけるB群(感情的で移り気なタイプ)に該当すると考えます。正式な診断や分析結果ではなく、あくまで個人の見解としてご理解ください。
ICEはアメリカ版ゲシュタポだ!
近頃、シカゴをはじめ全米各地で、移民・難民を標的にしたICE(米国移民関税執行局)の過激な取締りが、国民の良心を揺さぶっています。これらの行為はもはや「法の執行」とは呼べません。それは、最も弱い立場にある人々を脅し、恐怖で支配する「国家による弾圧」です。表向きは「移民取締り」でありながら、実態は残酷で非人道的な暴力へと変質しています。いまやICEは、まさしく「アメリカ版ゲシュタポ」と化しているのです。
リモートワークの「既得権」は、あなたの仕事をAIに差し出すのか?— 雇用主と候補者が直面する戦略的ジレンマ
コロナ禍で普及したリモート・ハイブリッドワークは、今や従業員側にとって「既得権」となりつつあります 。しかし、多くの雇用主はオフィス勤務に戻す動き、または通勤を前提とした雇用を増やしています 。
貴社に来られる候補者の方々も、「現在の雇用主が通勤に戻しているから転職を考えている」という声や、「リモート・ハイブリッドワークのポジション」を探しているという要望が多い現状があります。現に90%以上の方は少なくも一週間に数日はリモート勤務ができるお仕事を探していらっしゃいます。95%以上の求職者は、リモート・ハイブリッドワークを探している、という調査すらあります。
IRAへのロールオーバー、必要ですか?
勤務先から退職した場合、401(k)などのリタイアメント・プラン(403(b)、457、profit-sharing planを含む)からIRAへロールオーバーした方がよいのでしょうか。IRAを提供する証券会社や保険会社はIRAへのロールオーバーを勧めてくるかもしれませんが、必ずしもそれがベストとは限りません。今回の記事では、この問題について整理します。
士業とコンサルタントのボーダーライン
今月号から「ステラ・ジャーナル」の執筆陣に新たに加えさせていただきました、私、Pacific Dreams, Inc.(Wilsonville, OR)の酒井謙吉と申し上げます。全米にある日系企業様向けのHRコンサルティングサービスを提供している会社を1996年から経営しております。皆様に私の記事をお届けできますことを大変光栄に思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
最初の記事は、士業とコンサルタントというテーマで執筆してみたいと存じます。日本では「士業」といって、弁護士、税理士、司法書士、社労士(社会保険労務士)など「士」という文字が職業名の最後につく、高度な専門知識と国家資格の認定を要する職業の総称があります。「士」が侍(サムライ)に通じるということから別名、「サムライ業」とも呼ばれています。士というのは、その昔の日本では役人という意味で使われており、昔の役人を担っていたのが当時の侍であったからというわけです。
自分の政府を恐れるようになるとは思ってもみなかった!
本号で、佐藤義規氏が「トランピズムは『終わりの始まり』」という記事を寄稿してくださいました。その中で佐藤氏は、アメリカの民主主義が権威主義の手口によって、レンガを一つひとつ壊すように崩されていく現実を描写しています。その言葉は決して誇張ではありません。今私たちは、自由の国アメリカが恐怖と威嚇の国へと変わりつつある瞬間を目の当たりにしています。