The Stellar Journal
トランプ政権が目指す大型減税法案:個人への影響
下院歳入委員会は5月12日、トランプ大統領が公約した減税措置を含む財政法案(The One, Big, Beautiful Bill)を公表しました。下院・上院の審議を経てどのような形で立法化されるかまだ予断を許しませんが、どのような税制変更が俎上に上っているのかが見えてきました。今回の記事では、個人に影響のある項目を見てみましょう。
Finalized Section 2801 出国税対象者からの贈与に対する課税
<Title 26, U.S. Code Section 2801>
この出国税法Section 877. Expatriation to Avoid Taxに続いて出国税法Section 877A. Tax Responsibilities of Expatriation が2008年に可決されました。その時に一緒に可決されたもう一つの税法がSection 2801. Imposition of Taxです。
独立請負業者と従業員を使用する場合の税務上の影響
従業員と独立請負業者では給与及び給与関係税の取り扱いが大きく異なります。そのためIRSは法人税の調査の際に独立請負業者への支払いについて調査することがあります。
その結果、税務上で独立請負業者として扱われる労働者の多くは、実際には従業員と見なされる場合が多いので注意が必要です。IRS が労働者を従業員として再分類した場合、雇用主は次の責任を負うことになります。
CFC指定と日本居住家族の株式保有 958条(b)ー同族による株式所有
支配外国法人 (CFC) は、特に多国籍企業にとって、国際税法の重要な要素です。CFC とは、米国の株主が議決権または価値の 50% 以上を所有する外国法人です。内国歳入法のセクション 958(b) は、CFC の株式所有権を決定するための規則を規定しています。
セクション 958(b) では、包括的なカバレッジを確保するために、株式所有権は法人と個人に帰属します。このセクションには、米国の株主が実際よりも多くの株式を所有しているとみなされる可能性のあるさまざまな帰属規則が含まれており、これは税務上大きな影響を及ぼす可能性があります。
日米間の相続税および贈与税の違いは非常に大きい場合があります
米国に永住している、または市民権を持っている多くの日本人、とくに退職を控えている、またはすでに退職している方々は、自分がこの世を去る日について計画することが本当に必要です。
ところが米国に住む日本人があまり馴染みのない分野の一つが、米国の相続税や贈与税に関することです。特に、日米間の税制の違いが大きな課題となります。これらの違いを理解していない、またはこれらの違いを乗り越えるためにプロフェッショナルと連携しない場合、配偶者や子供、相続人の財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
クラウドファンディングに関するIRSからの最新情報
クラウドファンディングは、多数の人々から寄付を募り、Web サイトを通じて資金を調達する方法です。寄付は、事業資金、慈善寄付、または贈答品として募られることがあります。
場合によっては、クラウドファンディングの主催者が他の人や企業に代わって募ることがあります。また、自分自身や自分の企業のために資金を調達するためにクラウドファンディング キャンペーンを立ち上げる人もいます。
IRA等の必要最低分配額と不足分に対する罰金
財務省と内国歳入庁は必要最低分配 (RMD) 規則を更新する最終規則案を発行しました。
最終規則案は、適格退職金制度の参加者、IRA 所有者、およびその受益者に影響を与える SECURE 法および SECURE 2.0 法による変更を反映しています。同時に財務省と IRS は SECURE 2.0 法に基づく追加の RMD 問題に対処する提案規則を発行しました。
2022年に発行された提案規則に対するコメントに応じて特定の変更が行われましたが、最終規則案は概ねそれらの提案規則に従うものとなりました。
複雑な慈善寄付控除に注意
IRS から認可を受けている非営利の慈善団体、教育・科学・文化団体、宗教団体等適格団体への現金及び現物での寄付は項目別控除の対象となります。
<非営利慈善団体>
内国歳入法第 170 条 (c) に基づいて適格とされる以下の組織に寄付した、またはこれらの組織の使用のために寄付した慈善寄付は控除の対象となります。非営利の慈善団体は慈善目的、宗教目的、科学や文化そして教育目的、友愛目的、そして一般公益増進目的など多岐にわたります。