月次・年度末決算を効率化するチェックリストのポイント

CDH会計事務所
クライアントサクセスパートナー
中尾 倫子

月次決算や年度末決算の際に、「前回どのような確認をしていたか分からない」「担当者が変わり、締め作業の進め方が分からなくなった」といった経験はないでしょうか。

特に年度末にしか行わない作業では、前年度の対応内容を確認しながら進めることも多く、担当者の変更や業務の属人化によって確認漏れが生じることがあります。

こうした状況を防ぎ、毎月・毎年の決算業務を安定して進めるために有効なのが、決算チェックリストの作成と運用です。本記事では、月次決算チェックリストを作成するメリットと、実務上確認しておきたい代表的な項目をご紹介します。

月次決算チェックリストを作成するメリット

決算チェックリストは、単に「作業を忘れないための一覧」ではありません。経理業務を標準化し、財務情報の精度を高めるための重要な管理ツールとして活用できます。主なメリットとして、次のような点が挙げられます。

1.処理漏れや入力ミスを防ぎやすくなる

毎月実施すべき業務を明確にすることで、担当者の経験や記憶に依存せず、一定の手順で決算作業を進められます。

2.担当者が変わっても業務が引き継ぎしやすい

業務手順や確認ポイントを文書化しておくことで、担当者変更時の引き継ぎがスムーズになります。属人化の防止にも効果的です。

3.決算業務の効率化・早期化につながる

やるべき作業や担当者が明確になることで、決算業務を計画的に進めやすくなります。また、進捗状況も会開くでき、未完了項目や確認待ちの業務を把握しやすくなります。

4. 内部統制の強化につながる

担当者と確認者を明確にし、確認記録を残すことで、処理漏れや誤りを発見しやすくなります。また、決算業務における責任範囲が明確になり、適切なチェック体制の構築にもつながります。

チェックリスト作成の基本的な考え方

チェックリストを作成する際は、まず自社の貸借対照表や損益計算書に含まれる主要な勘定科目を確認します。そのうえで、それぞれの勘定科目について、

  • 何を確認するのか

  • 誰が作業を行うのか

  • 誰がレビューするのか

  • いつまでに完了するのか

を整理します。

また、すべての勘定科目について同じレベルの確認が必要とは限りません。金額的重要性や取引量、誤りが発生する可能性などを踏まえ、自社にとって重要な項目から整理していくとよいでしょう。下記が例となります。

年度末決算では追加の確認項目も必要

月次決算のチェックリストをそのまま年度末決算に使用するのではなく、年度末特有の確認項目を追加することをお勧めします。例えば、次のような項目が考えられます。

  • 実地棚卸の結果が帳簿に正しく反映されているか

  • 年度末前後の売上・仕入について、適切な期間に計上されているか(カットオフ)

  • 長期滞留売掛金や滞留在庫について、適切な評価が行われており、必要な決算整理仕訳が計上されているか

チェックリストは「作って終わり」にしない

決算チェックリストは、一度作成すれば完成というものではありません。新しい取引が始まった、勘定科目が増えた、会計システムを変更した、これまで確認していなかった項目で誤りが見つかった、といった場合には、随時チェックリストを更新していくことが重要です。

また、単に項目数を増やすのではなく、「現在もこの確認は必要か」「より効率的に確認できないか」と定期的に見直すことで、チェックリストそのものを業務改善のツールとして活用できます。

まとめ

月次・年度末決算を安定して進めるためには、担当者個人の経験だけに依存せず、会社として決算プロセスを標準化しておくことが重要です。決算チェックリストを作っていないようであれば、年度末になる前に一度作成されてはいかがでしょうか?

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