色に隠された日米の文化差
パシフィック・アドバイザリー・サービス
代表取締役社長
武本 粧紀子
アメリカに長く住んでいて思ったのは、色に対する意味合いが日本と異なることがたくさんある、ということです。文化によって異なるのはわかりますが、私は日本とアメリカしか住んだことがないので、この二つの文化を比べてみたいと思います。
一番最初に私が感じたのは、「ピンク」の意味です。
日本では、ピンクは桜の花の色で、かわいらしい、女性らしい、という意味があります。しかし、それだけではなく、「ピンク映画」「ピンク街」といった言葉があるように、性的な意味を強く持つこともあります。
アメリカでは、もちろん、女性的な色、という意味はありますが、ピンクに性的な意味はありません。
もちろん、女性特有の病気である、乳がんの早期発見を促すっための、マモグラムの検査を受けましょう、というキャンペーンの色に使われたりもしますが、政治的な意味合いで使われることもあります。女性の権利運動(フェミニズム)で使われること、女性と直接関係なくても、穏やかな社会主義者やリベラル派、つまり、「赤」よりも穏健な左派、という意味でつかわれたりもします。
では、青(ブルー)はどうでしょうか?
日本では、空や海を連想させるためか、清涼感や冷静さを表します。また、若さの象徴、という意味もあります。「青二才」というように、未熟さを意味することもあります。
米国では、日本と同じく、男の子の色の意味合いもありますが、信頼や安定などの省庁として、企業ロゴなどで頻繁に使われます。また、「ロイヤルブルー」のように、高貴な、という意味合いもあります。
ただ、憂鬱という意味もあり、悲しみを示す色でもあります。
紫は、日本では昔から聖徳太子の官位十二階で最高位の色とされたり、仏教の高僧が身に着けたりする位の高い色という意味合いがあります。
アメリカでも、ヨーロッパの王室の伝統から、王室の色として認識されています。日本でもアメリカでも、神秘的なイメージも持っています。
ただ、LGBTQ+のパレードなどで、スピリットを表す色、女性の権利運動でフェミニズムを表す色、として使われる場合もあります。
では、白と黒は?
日本でもアメリカでも、服では、黒はフォーマルな色、高級な色でもありますが、喪服の色でもあります。ただ、服ではありませんが、黒には腹黒い、などの意味もあります。
白は日米とも潔白な色として、花嫁衣裳の色でもありますが、日本では死装束の色でもあります。
ご存じのようにアメリカでは、善悪や純粋などの意味合いの他に、白は白人、黒は黒人を意味するよう、人種的な意味合いが強いです。
色の意味は、文化や歴史と関係しているので、日本とアメリカでも意味合いが異なる場合があるのです。
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