債務者からの口コミで、ネット上の評価が下がって困っています
Dear Crabby,
私は、数十年にわたって営業している中堅債権回収会社のゼネラルマネージャーをしています。当社は業界内でもそれなりに知られており、約40名の債権回収担当者が、米国内外の案件を取り扱っています。
ここ数年、頭を悩ませている問題の一つが、当社から支払いについて連絡を受けた一部の債務者による、インターネット上の否定的な口コミです。その中には、当社の担当者の回収方法が「プロフェッショナルではない」と批判するものも少なくありません。
しかし、私たちから見ると、こうした口コミの中には、債権回収を受ける立場になった債務者自身の苛立ちや反感が反映されているものもあるように思います。つまり、否定的な口コミが、必ずしも回収会社や担当者の対応の質を正確に表しているとは限らず、むしろ債権回収を受けること自体に対する不満が表れている場合もあるのではないでしょうか。
このような一方的とも思える口コミや、必ずしも事実の全体像を伝えていない否定的な評価に、どのように対応すればよいでしょうか。ぜひアドバイスをお願いします。
「礼儀正しく、でも言うべきことは言う」より
「礼儀正しく、でも言うべきことは言う」さんへ
ああ、ネットの口コミですね。
今や口コミサイトは、昔の「ご意見箱」のようなもの。ただし、その箱が町のど真ん中に置かれ、しかも巨大な拡声器まで付いていると思ってください。
債権回収会社にとって、ネット上の口コミは特に厄介な問題です。お金を回収してもらったクライアントは大いに満足しているでしょう。しかし、その反対側にいる債務者から見れば、当然ながら景色はまったく違います。
そもそも、長期間滞納している債務の支払いを求められた人が電話を切ったあと、
「なんて素晴らしい体験だったんだ!さっそくネットで星5つを付けてあげよう!」
……なんて思うことは、まずありません。
だからといって、否定的な口コミを無視してよいというわけではありません。むしろ、その逆です。正当な苦情であれば、一つひとつ真剣に受け止める必要があります。
「どうせ債務者が連絡を受けて腹を立てているだけだ」と決めつける前に、実際に何が起きたのかを確認しましょう。回収記録やメールなどのやり取りを調べ、担当者から事情を聞き、必要であれば債務者本人にも個別に連絡して、苦情の内容を詳しく確認します。
調べてみると、債務者の言い分にも一理あった、ということもあるかもしれません。こちらにミスがあったのであれば、それを認めて是正すべきです。一方、担当者が適切に対応していたのであれば、少なくとも事実関係を把握したうえで、口コミにどう対応するかを判断できます。
私なら、次のような対応をお勧めします。
● 返信する前に、まず事実確認をする。
債務者の主張が正しいかどうか、回収記録、メールなどのやり取り、法律上利用可能であれば通話録音、そして担当者自身の記憶などと照らし合わせて確認してください。腹が立ったからといって、すぐに反論してはいけません。また、最初から「相手の言っていることは間違っている」と決めつけるのも禁物です。
● 必要に応じて、まず本人に直接連絡する。
冷静に話し合うことで、単なる誤解だったと分かることもあります。口コミの内容が事実と異なっており、話し合いによって問題が解決すれば、債務者が自発的に口コミを書き直したり、削除したりしてくれる可能性もあります。
● 公開の場でも、プロフェッショナルに対応する。
会社にとってマイナスとなる口コミを、必ずしも放置する必要はありません。ただし、投稿者と言い争ったり、債務内容などの機密情報を公開したりすることなく、会社としての姿勢を示しましょう。
たとえば、
「当社では、社員の対応に関するご意見を非常に重く受け止めており、本件についても社内で確認いたしました。お客様のご懸念について、ぜひ直接お話を伺う機会をいただければ幸いです。」
これだけでも、会社としての姿勢は十分伝わります。
● 満足しているクライアントにも、率直な感想を投稿してもらう。
長年お付き合いのあるクライアントから見れば、あなたの会社に対する評価はまったく違うはずです。実際に仕事ぶりをよく知っているクライアントに、率直な体験や感想を投稿してもらうのも一つの方法です。もちろん、無理にお願いしたり、何らかの見返りを提供したりするべきではありません。満足しているクライアントの声にも、自然な形で表に出てもらう機会をつくるということです。
● 同じような苦情が繰り返されていないかを見る。
怒っている債務者が一人いるだけなら、単にその人個人の不満かもしれません。しかし、10人が同じような対応について苦情を書いているのであれば、詳しく調べる価値があります。否定的な口コミは、ときとして社員教育、コミュニケーションの取り方、あるいは社内手続きなど、改善すべき点を教えてくれる貴重な情報にもなります。
● ネット上で口論しない。
口コミが不公平であっても、事実と違っていても、読んでいて腹が立って仕方がなくても、反撃したくなる気持ちは抑えてください。
忘れてはいけないのは、あなたの返信は、実はその不満を持っている債務者だけに向けて書いているのではないということです。その後あなたの会社を検索する、将来のクライアントや取引先、その他多くの人たちが読んでいるのです。
そして何よりも、「否定的な口コミをすべてなくそう」と考えないことです。債権回収会社にとって、それはおそらく現実的ではありません。
それよりも、あなたの会社について調べている人たちに、バランスの取れた姿を見てもらうことを目指してください。
つまり、苦情を真剣に受け止め、公平に事実関係を調査し、プロフェッショナルに対応する会社。そして同時に、その仕事ぶりを高く評価している多くのクライアントがいる会社です。
他人がネットに何を書くかまで、あなたがコントロールすることはできません。
しかし、債権回収業務をどれだけプロフェッショナルに行うか、苦情に対してどれだけ冷静かつ誠実に対応するか、そして満足しているクライアントの声にもきちんと耳を傾けてもらえるようにするか――それらは、あなた自身がコントロールできることなのです。
Crabby
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Dear Crabbyは、CMI Credit Mediators Inc. 社長 ナンシー・セイバードがお届けする、与信管理・債権回収・人事に関するアドバイスコラムです。皆さまからのご意見・ご感想を心よりお待ちしております。(nseiverd@cmiweb.com)
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