花粉症は眼や鼻の病気ではなく、腸の病気!?

機能性医学の学会The Institute for Functional Medicine
認定Practitioner
松本 明子

花粉症は「鼻や眼の病気」と思われがちだが、20年くらい前からは 腸内環境との深い関係 が注目指摘されている。花粉が飛ぶ季節になると症状が悪化するのは確かだが、そもそも私たちの体が「花粉に過剰反応しやすい状態」になっている背景には、腸の状態が大きく影響している。

花粉症は“免疫の過剰反応”

花粉症は、花粉そのものが悪いのではなく、花粉を「敵」と誤認してしまう免疫の過敏さが原因である。免疫細胞の70-80%は腸に存在しており、免疫器官でもある。よって、腸内環境が悪化すると免疫のバランスも崩れ、花粉に対して過剰に反応しやすくなるのである。

腸内環境とは何?

腸内環境は主に①腸粘膜細胞 ②腸粘膜細胞が作る粘液 ③腸内細菌 が作る。お腹の中の想像は難しくても、①口の中の粘膜 ②唾液 ③口の中の細菌、と置き換えるとわかりやすいだろう。これら3つが3層のバリアとして働くのである。

例えば、歯周病が起きている状態は ①口の中の細胞が壊れている ②細胞が壊れているから唾液も変質する ③口の中の悪玉細菌が増えていて、免疫細胞を刺激し、悪性菌やそれらが作った炎症性物質が血中を循環する。その結果、歯周病は心臓業や糖尿病を増やすのである。これと同じことが腸でも起きている。

腸内環境が乱れると何が起こる?

腸内細菌のバランスが崩れると、次のような変化が起こる。

  • 腸のバリア機能が弱くなる- 腸の粘膜が弱ると、体に不要な物質が入り込みやすくなり、免疫が常に刺激される。

  • 炎症が起こりやすくなる -腸内の悪玉菌が増えると、悪性菌の刺激により免疫細胞から炎症を起こしやすくする物質が出され、それが全身に流れに、鼻や目にも届き、アレルギー反応が強く出やすくなる。

  • 免疫の調整役が働きにくくなる -腸内細菌は免疫のブレーキ役も担っている。善玉菌が減ると、このブレーキが効かなくなる。

こうした変化が積み重なると、花粉という軽い刺激にも体が過剰に反応し、鼻水・くしゃみ・目のかゆみといった症状が出やすくなる。また、大気汚染により、花粉が身体を刺激しやすい花粉に変化しているという面もある。

なぜ現代人は腸内環境が悪くなるのか?

花粉症人口が増えている背景には、腸内環境を乱す生活習慣が関係している。

  • 食物繊維の不足

  • 超加工食品の増加

  • 睡眠不足、ストレス、運動不足

  • 抗生物質により腸内細菌が変化(抗生剤を投与された畜産物を食することでもありうる)

これらはすべて腸内細菌の多様性を減らし、免疫のバランスを崩す要因になる。

腸内環境を改善すると花粉症が軽くなる理由

腸内環境が整うと、免疫の過剰反応が落ち着き、花粉症の症状が軽くなることがある。これは次のような機序による。

  • 善玉菌が増えると、腸のバリア機能が回復する

  • 善玉菌が作る、炎症を抑える短鎖脂肪酸(SCFA)が増える

  • 免疫のブレーキ役である「制御性T細胞」が働きやすくなる

つまり、腸が改善すると「花粉に反応しすぎない体」に近づく。

今日からできる腸内環境改善方法

医学的な治療が必要な場合は医療機関で相談することが大切だが、日常生活でできるお手当てには次のようなものがある。

  • 小麦、乳製品、砂糖、揚げ物を止める(必須)。これらは腸内環境に悪いからである。

  • 発酵食品(味噌、納豆、ヨーグルトなど)を毎日少しずつ(大丈夫な人だけ)

  • 野菜・海藻・きのこなどの食物繊維を増やす(食べても問題を起こさないもので)

  • 睡眠をしっかりとる(必須)

  • 適度な運動で筋肉から良いマイオカインを出させる(必須)

  • ストレスをためない生活習慣を意識する(必須)

これらはすべて腸内細菌の多様性を高め、免疫のバランスを整える方向に働く。

花粉症は腸から改善させることが根本解決につながる

花粉症は単なるアレルギーではなく、体全体の免疫バランスの乱れを映し出すサインともいえる。腸内環境を改善することは、花粉症だけでなく、肌の調子、氣分、糖尿病予防、認知機能などにも良い影響を与える。花粉症の季節だけでなく、年間を通して腸内環境を改善する生活を続けることで、花粉症の症状が根本的に改善される可能性が充分にある。

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