衆院選挙、私たちは何を基準に一票を投じるべきか

エス・アイ・エム
代表コンサルタント(認定心理カウンセラー)
佐藤 義規

高市総理が早期解散を正式に表明したことで、日本は再び大きな岐路に立たされました(※1)。

わずか1か月前には「やらなければならないことが山ほどあり、解散を考えている暇はない」と語っていたにもかかわらず(※2)、一転して方針転換に踏み切った背景には、マスコミ各社の支持率調査が追い風となっていることが影響していると見られます。支持率が高いうちに選挙を行えば、自民党単独で過半数を確保できる可能性が高まり、公明党の連立離脱のダメージを解消できるという判断が働いたと考えられます。 

🔥 解散の裏にある「政治的火種」

今回の解散には、党内基盤の強化だけでなく、複数の政治問題から国民の関心をそらす狙いもあると指摘されています。例えば、「存立危機事態」発言による日中関係の悪化(※3)、韓国で明らかになった旧統一教会と高市総理の関係(※4)、旧統一教会による自民党議員290人への支援疑惑、進展の見られない政治資金問題などです。これらが長期化すれば政権への打撃は避けられず、政治日程のリセットとしての解散は一定の効果を持つと考えられます。  

📉 「やらなければならないこと」はどれだけ進んだのか

高市総理が「優先課題」としていた政策の進捗を見ると、実現したものは限られています。経済対策は賃金を上回る物価上昇を抑えることができず、ガソリン減税は大幅に遅延。石破政権が準備していた2万円給付は白紙撤回され、別の形で実施されました(※5)。さらにコメ価格は依然として2年前の倍以上(※6)。国民生活に直結する課題が手つかずのまま解散へと突き進む姿勢には、疑問を禁じ得ません。

👩‍💼 女性初の総理としての政策は?

女性初の総理として注目される一方、女性政策で目立った成果は見られません。特に、働く女性の多くが求める選択的夫婦別姓への事実上の反対姿勢(※7)を貫く姿は象徴的です。また、「強い経済」「強い日本」といった勇ましいスローガンが多用される一方で、「弱者」「国民」「人」といった生活者に寄り添う言葉が乏しいという指摘もあります。実際に前面に出ている政策は防衛費増額の前倒しが目立ち、それもトランプ大統領への配慮と受け取られかねない内容でした。米海軍横須賀基地の原子力空母上で跳びはねる姿は、多くの国民に「国防重視」の強烈な印象を残しました(※8)。

🗳️ 超短期決戦の選挙へ──私たちはどう判断するべきか

通常国会が召集される23日の冒頭で衆院解散が宣言される見通しです(※9)。投開票日は早ければ2月8日。解散からわずか2週間という超短期決戦となる可能性があります。この限られた時間の中で、私たちは冷静に判断する必要があります。  

⚠️ SNS時代の選挙──イメージに流されないために

近年、SNSではフェイク情報や捏造が横行し、選挙結果に影響を与えたと疑われる事例も増えています(※10)。フェイクではありませんが、「女性初」「笑顔」「イケイケ感」「サナ活」など、イメージワードが人気とともに語られています。しかしこれらは政治家の本質とは無関係です。 政治は“推し活”ではありません。

🧭 政治家を評価する基準とは

政治家を評価する際に必要なのは、政策立案力、実行力、コミュニケーション能力、国民生活を向上させる使命感、困難に耐える精神力、未来を見据える判断力、そして誠実さと倫理観です。外見や流行ではなく、過去の発言・行動・政策実績を客観的に検証することが重要です。  

🗳️ 「よりまし」を選ぶという現実的な判断

国民のために働こうとする姿勢や誠実さ、倫理観が感じられる政党・政治家であれば、たとえ実績が乏しくても「よりましな選択肢」として評価すべき場面はあります。一方で、「誰に投票しても変わらない」「支持率が高いから」「候補者のルックスがいいから」「SNSで勧められたから」といった理由で投票するのは避けるべきです。SNSを通じた投票呼びかけは投票日前日まで認められていますが、電子メールやショートメッセージによる依頼は違法です。他人に勧められたからという理由で投票先を決めることは慎重であるべきでしょう。

かつての日本社会における同調圧力は「集団のルールへの服従」でしたが、現代のそれは「空気を読む」という曖昧な同調へと変化しています。しかし、どのような時代であっても投票は個人の自由であり、最も重い権利です。誰に遠慮する必要も、内容を明かす義務もありません。自ら考え、自分にとって、そして社会全体にとってより良い未来を選択するために、一票を投じることが大切です。  

どうしても支持したい政党や候補者が見当たらない場合は、消去法で選択肢を絞り込む方法もあります。それでも投票したい政党がなかった場合の最後の手段として、白票を投じることも意思表示の一つです。(※11)

まずは投票所に足を運ぶこと。それこそが、私たちが持つ最も基本的で重要な権利の行使なのです。

※1:「えっ今やるの?」「不安だけしかない」候補者は困惑 高市総理“早期解散”正式表明(羽鳥慎一モーニングショー)

※2:高市首相「衆院解散、考えている暇がない」 国会閉会を受け会見(朝日新聞)

※3:存立答弁、事前作成されず 首相がその場で判断か(共同通信)

※4:後見人・麻生元首相も蚊帳の外、高市首相を「衆院冒頭解散」へと走らせる"焦り"の正体(東洋経済新報社)

※5:一律現金給付も消費減税もなし 高市内閣の経済対策に割れる世論(毎日新聞)

※6:リアルタイム お米(5kg)の店頭売価平均/平均売価(株式会社マーチャンダイジング・オン)

※7:選択的夫婦別姓に反対の高市早苗氏「通称使用の拡大を」(読売新聞)

※8:女性の闘いは終わらない 田中優子・法政大学名誉教授・元総長(東京新聞)

※9:「通常国会の冒頭に衆院解散」首相、与党に伝達 2月8日投開票が軸(朝日新聞)

※10:“SNSのウソ情報 投票行動への影響懸念” 80%余 NHK世論調査(NHK)

※11︰増えた無効投票数「私への批判票」 神奈川県知事選で黒岩氏(産経新聞)

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